交通事故救助の研修について

救助

みなさん、こんにちは。

いつも読んでいただきありがとうございます。

今回は、交通事故救助について解説していきます。

みなさんの組織でも定期的に交通事故救助訓練は行っているかと思いますが

訓練用の車両を購入するための予算がなく、頻繁に行うことは難しいのが現状ではないでしょうか?

一度破壊してしまうと、元に戻すことはできないため試したい破壊方法も

なかなか実践できないことは残念ですよね。

そこで、より効率的に車両を破壊し、救助するための知識を今回はメインとして

これまで私が受講してきた研修の内容をもとに解説してまいります。

私の簡単なプロフィールです。
kouと申します。
10年以上消防士として勤務していました。
在職中のほとんどを救助隊として過ごし、隊長、機関員、隊員の経験もあります。
現在は退職して、消防士の後輩向けに情報発信をしています。
もうすこし気になる方はトップページより、プロフィールを御覧ください。

 

交通事故救助の研修はどういった団体が開催しているのか

交通事故救助の研修は国内において、開催が非常に少ないものとなっています。

救助資機材を卸販売する会社が資機材の取扱いデモとして行うもの

消防職員の有志団体による交通事故救助訓練会ほどしかないことが現状です。

救助資機材の取扱いデモの先駆けとして有名なのは

船山株式会社による、「レスキューデイズ」ではないでしょうか?

船山株式会社HPより

開催当初であれば、参加に制限がなかったのですが

現在は、船山株式会社が取り扱う資機材を導入している

もしくは、導入検討している所属の代表者が受けられる状況です。

最近では、帝国繊維なども似たようなイベントを開催しているようですね。

外部リンク http://rise-nippon.co.jp/report/7923/

 

そして、もうひとつの消防職員有志による交通事故救助研修で最も有名なものは

「 TIRAEMT 」ですね。

初見で読める人います?

僕は読めませんでした。

「 ティーアイアールエメット 」と呼ぶようです。

これは略称になっていて

「 Traffic Incident Rescue And Emergency Management Training 」

日本語に訳すと、

「 交通 事故 救助 と 緊急 管理 訓練 」 です。

TIRAMETの訓練の様子

 

こちらの団体は、有志の消防職員でドイツへ交通事故救助の研修

「WEBER rescue days」に自費で渡欧して受講し

それを日本に持ち帰って、訓練会を開催し指導している素晴らしい団体です。

weber rescue daysの様子

では、どういった訓練会になっているのかを紹介してまいります。

 

交通事故救助研修の内容はどういったものか

座学での内容としては、

日本国内における交通事故事情
消防機関の交通事故救助出動件数、活動件数
国内における自動車情勢
車両の安全装備について
交通事故救助のヨーロッパと日本の比較

となっており

講習内容として、日本のレスキューデイズでも重なっているところもあります。

 

日本国内における交通事故事情
消防機関の交通事故救助出動件数、活動件数

日本国内においての救助出動件数は、

総務省消防庁 令和元年版救急救助の現況より抜粋

 

平成20年版 救急救助の現況より抜粋

総務省消防庁のホームページより閲覧できます。 https://www.fdma.go.jp/publication/#rescue

令和元年と平成20年と比較して、交通事故救助出動件数と救助活動件数ともに減少していますね。

背景として、自動車の衝突安全が向上していること、衝突回避などの安全装備の充実があることが考えられます。

交通事故救助時に破壊を伴う活動となると、

多数車両の衝突事故やフロント部分がない貨物車などの事故が大半を占めますよね。

大半の交通事故は救急隊のみでも救出できる事案がほとんどです。

クルマの安全性が向上し、救助が必要なくなることは好ましいことです。

逆に言えば救助活動が必要となる出動は、大事故や活動困難であることを予想していかなければなりません。

 

国内における自動車情勢

燃料電池自動車 MIRAI

国内の自動車情勢も変化がめざましく

通常のガソリン車、ディーゼル車はもちろんですが

環境に配慮したハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、電気自動車

天然ガス自動車、水素自動車、燃料電池自動車、バイヒューエルハイブリッド車

などなど多くの駆動システムを搭載したクルマが増えております。

車両それぞれに危険性が異なってくるため、車種の特性をきちんと学んでおく必要があります。

 

最近、菅総理が2050年までに温室ガス排出ゼロを目指すといったことを発表しているので

この流れは加速していくでしょうね。

そして、近年の自動車は安全装備が充実しているため

交通事故が発生しても、少々のことでは社内でヒトが負傷することはなくなりました。

 

ですが、そのヒトを守るための安全装備は

救助する側の人間にとっては危険因子になることを忘れてはいけません。

特に、エアバッグですね。

こちらの映像はドッキリ映像になっておりますが一度見てください。

いかがでしょうか?

ドッキリの装置に使用しなくなったエアバッグを用いています。

ヒトがここまで吹き飛ばされるほどの威力です。

実際にエアバッグの

誤作動による消防士の受傷事故も起きています。

いかがですか?

きちんと、所属ではエアバッグに関する管理はされていますか?

エアバッグ専用の救助資機材も販売されていますよね。

エアバッグセーフ

運転席用、助手席用はありますが

他のエアバッグについてはどうでしょうか?

エアバッグもさまざまな場所に設置されています。

サイドエアバッグ、シートクッションエアバッグ、カーテンエアバッグ

リアウインドカーテンエアバッグ、ニーエアバッグなど

最新の高級車にはシートベルトまでエアバッグが装備されているものもあります。

メルセデス・ベンツのシートベルトエアバッグ

救助活動の際にどうしても車両を破壊する必要がでてきますが

その時に必ず、エアバッグの位置を確認していますか?

エアバッグの設置されている箇所には以下のような表示がされています。

「SRS AIRBAG」

と、表記されていますね。

こういった表示のある箇所を破壊する場合は、きちんと内張りを剥がして

エアバッグのボンベ位置などを必ず確認して、切断を避けなければなりません。

実はトヨタ自動車など各社、車両に関する情報を提供しています。

車両レスキュー時の取扱い https://global.toyota/pages/global_toyota/your-vehicle/ER2800J_1.pdf

 

交通事故救助のヨーロッパと日本の比較

では、ヨーロッパと日本の交通事故救助の違いは何なのか?

少し掘り下げてみましょう。

まず、活動時におけるPPE(個人保護装備)として防塵マスクをかならず着用します。

これはガラスを破壊した時に生じるガラスの粉じんを吸い込まないようにするためです。

ガラスの粉じんは吸ってしまうと、体内で吸収できないため

肺胞内に残って肺炎を発症してしまうリスクがあります。

それを防ぐための保護用装備です。

あわせて、防塵メガネというものを着装されるかたがいらっしゃるかと思います。

見た目もスタイリッシュでかっこいいですよね。

ですが、メガネタイプですと隙間が多く、粉じんが隙間から入ってきてしまうため

オススメはいたしません。

こういった粉じんが発生されると予想できる活動においては防塵ゴーグルを着装することを心がけましょう。

CSR(狭隘空間救助)でも粉じんから守るために似たような個人保護用装備を着用しますよね。

交通事故救助でもそういう考えで活動しましょう。

 

また、要救助者を破壊活動で生じた破片などから保護する際に日本ではよく毛布を用いて保護しますが

ヨーロッパでは、テーブルクロスのうような透明なシートを用いています。

これは、要救助者の容態を常に観察出来るようにと考えられております。

このようなシートは安価で手に入れることができるため、日本でもすぐに取り入れていけますね。

 

交通事故救助の研修について まとめ

いかがだったでしょうか?

今回は、交通事故救助の研修の座学にあたる部分をメインとして解説してまいりました。

どこの所属においても交通事故救助活動は想定されているものですが、

クルマが好きな人でないと車両構造がわからなかったり

車種に応じた対応も難しいかと思います。

単独事故であれば容易に救出できても、多発事故になるとまたさらに難易度も上がります。

そういった場合においても活動のヒントとなれば幸いです。

実技、テクニックについても今後解説を予定していきます。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

記事の内容がよければ、紹介していただけると励みになります。

また、わかりにくいところや質問などがありましたら

遠慮なくコメント欄のほうにどうぞ。

スポンサーリンク