交通事故救助のテクニック 6選

救助

いつも読んでいただきありがとうございます。

今回は、交通事故救助の際に行う車両破壊について解説して参ります。

車両破壊は皆さんの職場でも定期的に訓練されていると思いますが

ドアの開放要領ひとつにしても、さまざまな要領を

頭の中に入れておくことは、想定外のことが頻繁に起こる

災害現場においてはとても重要です。

私の簡単なプロフィールです。
kouと申します。
10年以上消防士として勤務していました。
在職中のほとんどを救助隊として過ごし、隊長、機関員、隊員の経験もあります。
現在は退職して、消防士の後輩向けに情報発信をしています。
もうすこし気になる方はトップページより、プロフィールを御覧ください。

それでは、まいりましょう。

今回は、動画をもとに解説します。

一緒に訓練することが一番良いのですが、それも難しいですからね。

交通事故救助のテクニック 6選

 

下の動画を見た後、記事の解説を確認しつつ、また動画で確認することをおすすめします。

① 車両の安定化

なぜ、車両を安定させる必要があるのでしょうか?

自動車が地面と接地している部分は、タイヤですよね?

そのタイヤからショックアブソーバーやスプリングが付いており

それらが車両自体を支えています。

そのタイヤやスプリングなどは地面からの衝撃を緩和し、乗り心地を良くする目的で取り付けられているのですが

交通事故が発生して、救助の必要がでてくると

それらは活動の障害となることがあります。

まず、隊員が車両内に乗り込んで活動すると車体がその重みで揺れます。

それも一人ではなく、2人、3人となればさらに揺れることになります。

その揺れによって、事故で激しい衝撃を受けていた要救助者は揺さぶられることになります。

要救助者の容態を悪化させず、安定させるために重要なこととなります。

さらに、車両の安定化を図ることは、救助活動する隊員にもメリットがあります。

車両を破壊するときに、この安定化のために使用したブロックが良い仕事をします。

これについては、また解説します。おたのしみに。

 

② 内張り剥がし 

内張り(車両内のカバー、隙間埋めのゴムのこと)を剥がしています。

これはなぜ、剥がす必要があるのでしょうか?

動画の中では、剥がした後にラムシリンダーを使用していますね。

ラムシリンダーを使用するときには、かならず車両の一部に接地してから

ラムシリンダーを伸長することになります。

その際に内張りを剥がしていないことにより起こる現象があります。

それは、ラムシリンダーの滑りです。

内張りにラムシリンダーをあて、伸長すると

内張り自体が動いてしまい、本来接地させたいところからズレてしまうのです。

ですから、内張りをきちんと剥がして置く必要があります。

他にも内張りを剥がさなければならないシチュエーションもあります。

それは、車体を切断するときです。

車体を切断する際に、きちんと切断する箇所を観察しているでしょうか?

場所によっては、カーテンエアバッグなどが設置されているため

その箇所にエアバッグ作動用のボンベが必ずあります。

そのボンベ自体はエンジンを停止していても、ボンベ内のガスは充填された状態のため

誤って切断すると爆発するおそれがありますので

切断するときは必ず、内張りを剥がして、切断箇所の評価を行ってくださいね。

 

③ 車両の復元

車両の内部からラムシリンダーを使用して、潰れた車両を拡張していますね。

通常の訓練では、こういった想定は難しいかと思います。

訓練用の車両は、基本的に中古車両ではありますが、きれいな状態であるため

車両を破壊する訓練はできたとしても、車両を復元するという訓練ができません。

激しい交通事故であれば、車両は大破して、原型をとどめているものは少ないです。

その中に要救助者がいるとすれば、救出するためのスペースをつくらなければなりません。

救出スペース、活動スペースをつくるためにはどういった復元を行えばよいか

復元するためには、どこをどういったふうに資機材を使えばよいのか。

そういったことも訓練や現場でコツを掴んでいくなり

身近にある車の構造を観察していくと、現場でも対応しやすくなりますね。

あとは、実際に車両を復元していく中でどういった動きをしていくか

状況も観察しつつ、資機材を使う場所を変更したりすることも大切です。

 

④ 障害物からの引き剥がし

交通事故により、車両が歩道の車止めなどに衝突して

車が大きく変形して、活動の障害となっています。

この車止めが活動障害になることから

スプレッダーを使用して、車止めからの引き剥がしを行っていますね。

事故車両や要救助者の評価によっては、必ず引き剥がさなければならないわけではありません。

障害物から引き剥がすために、チルホールなどの手動ウインチを使っている所属もあるかと思いますが

動画の活動のように、スプレッダーによる車両の移動もひとつのスキルとして

持ち合わせておくと、活動に幅が広がりますね。

これを応用した、スプレッダーと隊員一人で車両移動も可能ですので

今後紹介する予定です。

 

⑤ ドアの開放(2枚抜き)

ドアの2枚抜き?!

見たことや聞いたことがありますか?

1枚ずつ、ドアを開放していけばよいじゃないか。

と、思わずにこれらもひとつのテクニックとして頭の中に入れておいて下さいね。

動画の中では、車両後部座席側のドアのラッチ側から破壊し開放

車両のBピラー(前席と後席ドアの境目にある支柱)をスーパーカッターにより切断

計3箇所の破壊により一度にドアの2枚抜きが行われておりますね。

通常通り、ドアを1枚ずつ開放していくと

破壊箇所は3箇所では済まないですよね。

迅速な活動を要求される災害現場では

こういった効率の良い破壊も必要となります。

ぜひ、訓練車両でも行ってみて下さいね。

 

⑥ 車両内の空間拡大

動画の最後の場面になります。

こちらは車両の復元以上に救出スペースを要するときに有効ですね。

オープンカーのように破壊することはあっても

このように破壊することは訓練でも実践でも滅多にないのではないでしょうか?

破壊している箇所は

前席Aピラー(前席ドアヒンジの支柱)、フロントガラス、Cピラー(後席ドアラッチの支柱)

これらの破壊の後に、反対側のBピラー付近で

ラムシリンダーで車両の天井を持ち上げると、破壊した側が大きく開放されましたね。

これだけの活動スペースが有れば、救出も容易になりますね。

 

交通事故救助のテクニック6選 まとめ

いかがだったでしょうか?

今回は新たな試みとして、交通事故救助のテクニックを動画をもとに解説してまいりました。

先程も述べましたが、一緒に訓練をしながら車両の挙動も確認しつつが一番良いのですがね、、、。

ですが、こういった動画でテクニックを確認してインプットする

そして、実際に訓練でアウトプットしてみる。

そうすると、より自分自身の知識や技術として身につきます。

訓練や災害現場でいきなり実践ですと、それも難しいですからね。

今回のような記事が好評でしたら、また新たな動画をもとに解説していきますね。

質問やわかりにくいところがありましたら

遠慮なくコメント欄の方にどうぞ。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

参考になる資料

WEBER RESCUE 資機材取扱業者
船山株式外社 https://www.funayama.co.jp/

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