スイフトウォーターレスキュー(急流救助)について

救助

みなさん、こんにちは。

いつも読んでいただきありがとうございます。


 

今回は、スイフトウォーターレスキューについて解説していきます。

スイフトウォーターレスキューとは、流れのある河川などで要救助者を助ける技術なのですが

静水、流れのない湖や沼、港湾内での水難救助とは違い、難易度がかなり上がります。

要救助者はもちろん、救助する隊員も流されてしまうのは承知の上で活動しなくてはなりませんし

流れの中には、たくさんの障害が発生していることも考慮しなくてはいけません。

 

ここでは、スイフトウォーターレスキューの時に注意すべき点について解説していきます。


実際にどういった事故が起きているのか

  

まず、日本で最悪の水難事故が発生したことはご存知でしょうか?

玄倉川での水難事故です。

1999年8月13日より玄倉川の中洲でキャンプをしていた横浜市内の廃棄物処理会社に勤める男性社員ら、子ども6人を含む彼らの家族、さらに社員の婚約者・女友達を含む18人が、翌日の熱帯低気圧の大雨による増水によって流され、社員5名と妻2名、1歳から9歳の子ども4名、社員が連れてきた女性2名の計13名が死亡した。

引用元 Wikipedia

この水難事故は、もちろん当の本人たちが再三避難するように行政から注意を受けていたにもかかわらず

避難しなかったことに大きな要因があることは間違いありません。

 

ですが、目の前にいる要救助者、小さな子供もいました。

その人たちを救う事ができなかった事

それは、消防士として一生の後悔になるのではないでしょうか?

実際、この動画を見て自信を持って

私たちの消防本部は救助できる!

と言える方はどのくらいいますか?

酷な言い方となってしまいますが、私たちはこういった災害も考えておかなければなりません。

知らない、できない、怖い。

それでは、自分自身も要救助者も救う事ができないのですから。

 

厳しい言い方をしてしまい、すみません。

 

河川などの急流はとても危険であること

 

まずは、敵を知ることからはじめていきましょう。

急流においてどういった危険があるのか、解説していきます。

急流と言われると、河川の流れがあるところを想像しがちですが

大雨などで増水し、用水路などに溜まり、浸水域が流れをつくれば

それも急流となります。

ですから、河川だけでなく市街地でも急流救助をする可能性があります。

こちらは海外の用水路で発生した水難事故です。

ターミネーター2の中でチェイスシーンがあったような場所と考えてください。

最初に写っている人は救助しようとしている警察官です。

この警察官も水流が強すぎて、今にも流されてしまいそうです。

ちなみに手元のロープを掴むどころか、巻きつけてしまって

身体が流れに持っていかれてしまい、手首が完全に脱臼してしまっています。

こういうところも救助者は注意しておかなければなりませんね。

映像の中でロープが写っているのが分かりますか?

このロープはこの流れに対して垂直に対岸から張っています。

これは、禁忌とされているロープの張り方です。

ロープレスキューの中で、ベクトルプルということを聞いた事がありませんか?

支点と支点1直線に張られたロープの真ん中を引く というものですね。

これが起きてしまいます。

要救助者がこのロープの真ん中で捕まっているのですが

水流が強すぎて、ロープを持つ人たちは持っているのが精一杯です。

要救助者も、このロープに捕まっている以上は、流れによってロープの真ん中に引き寄せられてしまうため

この位置から動くこともできません。

 

最終的に上流より流されてきた家具のようなものが要救助者にぶつかり

要救助者はロープを離してしまって、下流へと流されてしまいます。

では、この救助方法は何が悪かったのでしょうか?

 

少し考えてみてください。

 

あくまで、ひとつの方法です。

ロープの展張角度を「45度」角に変えるのです。

そうすることで、上流から下流に対してロープが展張されます。

仮にこのようなロープ展張をしていれば、要救助者がロープに捕まりさえすれば

あとは流れに合わせて、対岸へと渡る事ができていたでしょう。

これを テンションダイアゴナル と呼びます。

この映像のような動きになります。

特に泳ぐ様子もなく、流れによって対岸へと渡っている事が分かりますよね。

河川の流速によってもロープの展張角度を変えていく必要もあるので訓練は必須です。

 

他にも 「ストレーナー」 という障害物による危険もあります。

ストレーナーといえば、消防ポンプの吸菅の先についているものを想像しませんか?

あれと似たようなもので解釈して構いません。

河川には様々な漂流物、ごみ、堰などあらゆるところに障害物があります。

そこに水流というのが発生すると、そこに引き寄せられてしまいます。

引き寄せられて、その障害物の部分をクリアできれば良いのですが

足が挟まってしまったり、流れが強すぎると到底クリアする事ができません。

 

こちらはストレーナーをクリアする訓練です。

状況としては、丸太1本をクリアするだけです。

ただし、この上部を乗り越える事が条件です。

映像を見て分かるように、相当キツそうですよね。

流速が強ければ強いほど、難しくなります。

自分の両足が持っていかれてしまうんですよね。

私もかなりキツかった記憶があります。

これが、現場であれば? ゾッとしますよね。

 

では、どのように対処、活動していけば良いのか

 

まず、初歩的な部分ではありますが、救命胴衣についても触れておきます。

みなさんが水難救助時に着用する救命胴衣はどういったものでしょうか?

こちらですか?

それともこちらでしょうか?

 

指揮隊や調査隊、救急隊などは上のオレンジの救命胴衣でも十分でしょう。

ですが、救助隊や消防隊など救助活動で水に入るのであれば

必ず、下のものを選んでください。

よくPFDなんて言いますね。

PFD(personal floating device の略)

何が違うかと言いますと

 

そもそも浮力が違います。

通常の救命胴衣は1人分の浮力程度しか持ち合わせていません。

ですが、このPFDは2人分の浮力があります。

やはり、救助用のためですから要救助者を確保して

沈んでしまっては、何をしに救助しにいってるのか分かりませんよね。

 

また、泳ぐ事を目的としているため

浮力材が上がって泳ぎに支障が出ないように股ベルトがついているタイプもあります。

他にも、浮力材が通常の救命胴衣よりも大きいため

岩などに流されてぶつかった際にケガをしにくいことも特徴です。

 

他にも急流救助で使用する資機材はありますが

これらをどのように活用して、救助していくか。

こちらの動画を確認ください。

あくまで、スイフトウォーターレスキューの講習の内容ですが

  • 急流の泳ぎ方
  • 急流でのセルフレスキュー(自己防衛)
  • スローバックレスキュー(ロープを投げて救助)
  • ライフベイトレスキュー(泳いでいき確保して救助)
  • ボートを使った救助
  • ロープ展張して救助

など、その環境に応じて、安全かつ確実に救助できる方法があります。

また、これらを深堀する記事を書いていきますね。

 

まとめ

いかがだったでしょうか?

急流といっても、河川だけでなく身近な場所でも急流は発生してしまうこと

急流には危険が多いことなどを

少しでも理解していただけたら嬉しいです。

 

水難救助と言っても、海、川、湖、用水路など場所は様々です。

その場所、環境条件に応じた救助方法を選択し、

自分たちはもちろん、要救助者も安全に助かる方法を実行していきたいですね。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

記事の内容で分かりにくい点、質問等がありましたら

遠慮なくコメント欄にどうぞ

他の記事でも良い記事があれば紹介していただけると

記事更新の励みとなりますので

よろしくお願いいたします。

 

ありがとうございました。

参考資料

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