いつも読んでいただき、ありがとうございます!
今回は、
10年以上消防士としての経験を持つ私が、
消防士になったばかりの方
これからロープアクセスやロープレスキューについて学びたい方
知識技術のある方にも復習となるような記事となっています。
この記事を読むメリット
ロープレスキューやロープアクセスに関する用語を理解できる。 用語を知ることで資機材に関する知識が増えます。
それでは、まいりましょう!
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Contents
ロープレスキュー、ロープアクセスに関する用語の解説
規格
EN(European Norm) 規格

EN規格とは、EU(欧州連合加盟国)で加盟国間の貿易円滑化と産業水準の統一を目的とするEUにおける統一規格の総称を指します。
例として、EN1891(セミスタティックロープの規格)EN12481(ロープアクセス用ギア)
NFPA (Nation FIre Protection Association) 規格

NFPA規格とは、1896年に全米防火協会が火災や電気関連の危険に対して死亡、傷害、財産と経済的損失をなくすことを目的として定めた規格のことを指します。
日本でいう消防法や消防組織法の内容も含まれています。
例:NFPA1983:2012(ロープの規格)
CI規格
CI規格とは、1920年に米国で設立されたロープ、コード類の安全な使用に関する技術基準を作成することが目的の北米索具協会が定めた規格のことを指します。
CEマーク

CEマークはEU(欧州連合加盟国)間の異なる安全認証手続きを一元化し、流通販売と公正な競争、また、健康安全環境に関する保護を目的とし、安全基準を満たすものにつけられるマーク。
JIS規格
JIS(日本産業規格)とは、日本の産業標準化の促進を目的とする産業標準化法に基づき制定される任意の国家規格です。
例:JIS T 8165(墜落制止用器具)
ロープ

ロープレスキュー、ロープアクセスにおいて使用されるロープは外皮と内芯から構成されるカーンマントル構造の「編みロープ」と呼ばれています。
ロープアクセスやロープレスキューにおいては、「スタティックロープ」や「セミスタティックロープ」を使用します。
これらはレンジャーロープ(3つ打ち)に比べて伸び率が低く、効率的に活動することが可能です。

このほか「ダイナミックロープ」と呼ばれる、伸び率が高く衝撃吸収に優れリードクライミングなどのスポーツに使用されているロープもあります。
メインロープ

ロープアクセスやロープレスキューにおいて、常に体重(荷重)をかかるロープのことを指します。
※ 写真では白ロープがメインロープに該当します。
ビレイロープ
ビレイロープとは、メインロープが破断するなどのトラブルが発生した場合の二次確保として機能するものを指します。
メインロープが常に体重(荷重)が加わっているのに対し、ビレイロープは体重(荷重)が加わっていないことが特徴です。
※ 写真では紫色のロープがビレイロープに該当します。
ギア

ロープアクセスやロープレスキューにおいて、使用される資機材の総称のことを指します。
プーリー

ロープの方向を変えたり、倍力システムを構築したりするための器具を指します。
ロープとの摩擦抵抗を減少させるため、ローラーなどで構成されています。
カム

登高器具や下降器具などに組み込まれている、ロープを掴むための部品のことを指します。
例:トゲゲで剣山状になってロープを噛み込むタイプのカムやロープを抑え込み掴むタイプのカムがある。
アンカー

システムの設定やロープを結着するための支点や支持点のことを指します。
システム

ロープやギアを組み合わせて、目的の機能を持つように組み上げたものを指します。
メインビレイ (DMDB : Dedicate Main Dedicated Belay)システム

メイン・ビレイシステムはメインのシステムで100%の荷重を受け持ち、ビレイシステムが0%の荷重を受け持つシステムです。
メインシステムが破断した場合に初めてビレイシステムに衝撃荷重となって移行し、バックアップとして機能します。
デメリットとして、メインシステム破断時に衝撃荷重が大きくなりやすく、ビレイロープの伸びやシステムの制動により墜落停止距離が長くなりやすいことが挙げられます。
ツーテンションシステム (DCTTRS : Dual Capability Two Tensioned Rope Systems)
ツーテンションシステムとは、2本のロープと2つのギアを共に使用し、50%の荷重をその両方で受け持つシステムです。
メリットとして、1本のロープまたはどちらかのシステムが破断した場合でも荷重が50%程度受け持っているため、墜落停止距離が短く、あわせて衝撃荷重も小さくなることが挙げられます。
ロープに加わる荷重が分散されるため、エッジ部分でのロープ切断リスクについても軽減されることが期待できます。
特に、2人荷重(要救助者+救助隊員)を扱う場合は大きな荷重となるため、2テンションシステムは有効な手段と言えます。
理由として、下降器などのギア1つに対して通常1人の使用を目的としているので、2つのギアを使用することで2人分の荷重を分けることができ、通常使用するように扱いやすくできます。
ロープアクセス

ロープや器具などを活用して、目的の場所まで移動するための技術を指します。
ビルメンテナンスや橋梁点検、風力発電所の点検、洞窟探検などで用いられています。
ロープレスキュー

ロープアクセスの技術を応用して、作業員の救出を行うことを指します。
消防機関などが行うもののほか、現場作業員同士で救出することも指します。
ロープレスキュー、ロープアクセスに関する用語の解説 まとめ

いかがだったでしょうか?
今回は、ロープレスキューやロープアクセスにおいて使用される用語についての解説をしました。
最後におさらいすると、
- 規格
- ロープ
- ギア
- アンカー
- システム
- ロープアクセス
- ロープレスキュー
についての内容でした。
消防救助操法と違い、横文字やカタカナでの表記が多いので覚えにくいかもしれませんが何度も復習して理解していただければ嬉しいです。
記事の内容がよければ、紹介してもらえたりコメントをいただけると励みになります。
わかりにくい点や質問などございましたら遠慮なくコメント欄にどうぞ。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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