ラダーレスキューシステムズを受講して

A solo rescuer assists at the top. Note that he is using a ladder lock with his right leg. Photo Andy Speier
救助

みなさん、こんにちは。

いつも読んでいただき、ありがとうございます。

今回は、ラダーレスキューシステムズについて解説します。

っと、その前に私の簡単なプロフィールです。
kouと申します。
10年以上消防士として勤務していました。
在職中のほとんどを救助隊として過ごし、隊長、機関員、隊員の経験もあります。
現在は退職して、消防士の後輩向けに情報発信をしています。
もうすこし気になる方はトップページより、プロフィールを御覧ください。

 

ラダーレスキューシステムズとは?

まず、ラダーレスキューシステムズ?

と言われても、わかりづらいですよね。

ラダーレスキューシステムズとは、

レスキュー先進国のアメリカの中でも最先端のカリフォルニア州消防救助隊が

正規カリキュラムとして採用している技術で

日本で言えば、三連梯子を使用した救助方法といった感じです。

このシステムは

少ない資機材で、限られた少ない人員でも、シンプルな設定

が最大の特徴です。

 

また、このシステムを使用できる用途としては

ハイポイントアンカー(高支点)、支持点、下降器、スロープ、搬送用具などです。

梯子の基本的な使用用途は、高所へ上がる、低所へ下がるための資機材ですが

日本でもこれまで梯子を用いて救助活動を行なってきているので

ラダーレスキューシステムズは取り入れやすいですね。

ラダーレスキューシステムズの中身

では、ラダーレスキューシステムズにはどういった種類があるのでしょうか?

数にして7種類があり

ムービングラダー、キャンタリバーラダー、ラダースライド、インテリアラダー

エクステリアラダー、ラダージン、ラダーA

のがあります。

 

それぞれ、簡潔に紹介します。

ムービングラダー

ムービングラダーとは、梯子に担架を固定したものです。

用途としては、搬送器具、高所低所へのアクセス、障害物の乗り越えです。

通常の担架を徒手搬送する場合、最大何人まで持つことができますか?

歩きやすさ、力の入れやすさで考慮すると6人ぐらいがベストですよね。

これが、ムービングラダーになると梯子の分持ち手が増えるので

その分一人あたりの荷重を減らすことができます。

また、通常の梯子としての使用も可能です。

担架を固定してある裏側を使用して高所低所へのアクセスです。

ですが、このやり方をする場合に担架とともに要救助者が下方向を向くため

要救助者の容態を考慮する必要があり

担架にきちんと要救助者が固定されている必要もあります。

梯子が1機しかない場合の

ひとつの方法として、頭に入れておくと良いですね。

キャンタリバーラダー

キャンタリバーラダーとは、てこの原理を利用した技術になります。

用途としては、下降器、上部支点です。

こちらは降ろすことしかできないこと、人による支持の他に支持物がないことがデメリットになります。

梯子が地物に固定されておりませんが

人の体重を載せること、てこの原理で安定を図れます。

ですので周囲に支点がなくても梯子とロープ、人員が揃えば、利用できる技術でもあります。

必要最低人員は3人です。

3人であれば、人員の少ないところでも可能な技術ですね。

ラダースライド

ラダースライドは、梯子をスロープのように利用した技術で

高所、低所への救出やアクセスが可能です。

救助する箇所に障害物がある場合に、梯子をかけることによって障害をクリアすることができます。

意外にも引き上げよりも、降ろす方が難しいことが特徴です。

また、荷重のかかりによっては梯子が滑る可能性もあるため注意が必要です。

インテリアラダー

インテリアラダーは、屋内から屋外への救助やアクセスが可能となる技術です。

こちらの特徴として、担架や隊員が屋外にでていくことで

より梯子が固定されるベクトル方向に動くという点が挙げられます。

エクステリアラダー

エクステリアラダーは、応急梯子や梯子水平2法と考えていただいて大丈夫です。

ただし、通常の進入口、救出面に架梯するのではなく

そのさらに上部に架梯させます。

 

応急梯子や梯子水平2法では要救助者や担架を救出面に出すために

手やとび口を使用しますが

エクステリアラダーでは梯子の先端部分が壁面から離れることはありません。

事前に救出するための空間を空けてあるため、その必要がないのです。

そのため、梯子をより安定させることが可能となります。

 

実際に梯子水平2法の訓練を実施した経験のある方であれば

梯子と要救助者を出すためにかなりの力が必要であることはご存知だと思われます。

この時、梯子が不安定になりがちですが

エクステリアラダーであれば、地上面、壁面、

そして、力の加わるベクトルが梯子をより安定させる方向に向くため

通常の応急梯子や梯子水平2法と比較して安全と言えます。

 

ラダージン

ラダージンは、梯子クレーンです。

単純に同じとは言えませんが、、、。

このラダージンは物理学の観点から見るととても複雑で

トラス線の結着部分に加わるベクトル

4倍力システムの上部支点に加わるベクトル

それを用いて引き上げるときに加わるベクトル

梯子が重力に引っ張られるベクトル

などなど、、、。

様々な方向から見ていくことができなければ

安全に活用することができません。

単純に見える梯子クレーンは意外にも、管理が難しいのです。

 

ラダーA

ラダーAは、Aフレームのフレーム部分に梯子を使用したものとなります。

通常のフレームよりも高さが取れることが最大のメリットです。

ロールグリス三脚やロープレスキューフレームと比較しても

高い支点が確保できますね。

 

日本の梯子で応用して問題ないか?

上記で紹介してきたラダーレスキューシステムズですが

日本で使用している三連梯子やかぎ付き梯子でそのまま応用することも可能です。

ただし、日本の梯子とアメリカの梯子ではそもそもの強度が違います。

メーカーにもよりますが、日本のものですと150~180kgがほとんどです。

これがアメリカの梯子ですと、400kgです。

その差2倍以上です。

想定体重が違うことも要因とされますが、安易に真似することは危険であるとも言えます。

素材が何で構成されているか、チタン?アルミ?鋼鉄?

そういったことも影響があるので、きちんと検証や訓練することは絶対に必要です。

また、物理学的にも考えて

合力、分力でどれだけの力がどこにかかっているのか

それを考慮して作業していくと、なお良いでしょう。

ラダーレスキューシステムズから伝えたいこと

ラダーレスキューシステムズは、とても完成度の高い技術だと言えます。

まず、物理学の観点からどの部分にどれだけの荷重が加わるのか

力のベクトル方向をどこに向ければ、より安全になるのか

梯子の強度、ロープやカラビナの強度など

様々なところに無理がかかっていないかを研究されたものです。

 

日本の消防でも長らく梯子を用いて救助活動や訓練を続けているので

梯子はとても馴染みが深いものです。

ですから、ラダーレスキューシステムズの技術を学んで

日本の救助技術にも取り入れていけないか

今まで物理的に検証していなければ、そういった検証をすることの大切さを気づく

きっかけとなれば良いのかなと感じております。

過去に、梯子クレーンで梯子を転倒させて

生体の要救助者と介添の隊員を落下させて受傷させた事故があったと聞きます。

それは、あくまで梯子クレーンのマニュアルを理解しただけであって

真に理解していなかったのです。

こういった事故を減らす、無くすためにも

マニュアルだけを学ぶのではなく、物理的なことも合わせて学んでいく必要があります。

 

まとめ

ラダーレスキューシステムズ、いかがだったでしょうか?

詳細な設定要領などについては詳しく触れておりませんので

また、解説したいと考えております。

 

記事の内容が良ければ紹介していただいたり

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質問やわかりにくいところがありましたら

遠慮なくコメント欄にどうぞ。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

ラダーレスキューシステムズ受講先
ジャパンタスクフォース http://jp-tf.org

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