いつも読んでいただきありがとうございます。
今回は、
消防士の階級制度について解説します。
消防士の階級ってどういったものがあるの?
消防士の階級をあげるためには具体的に何をすればいいの?
といった方々に向けた内容です。
私自身の最終階級は「消防士長」でしたので、昇任試験のことや階級が上がってからのことまで実体験をもとに解説しています。
ぜひ、最後まで読んでいってくださいね。
っと、その前に私のプロフィールです!
kouと申します。10年以上消防士として勤務していました。
詳細が気になる方はこちらを確認してください。
それでは、まいりましょう!
Contents
消防士の階級はどういったものがあるの?

消防士の階級には、以下のものがあります。
- 消防士
- 消防副士長
- 消防士長
- 消防司令補
- 消防指令
- 消防司令長
- 消防監
- 消防正監
- 消防司監
- 消防総監
以上、10階級あります。
それぞれ、階級を上げていくためには昇任試験を受験する必要があります。
ただし、例外もあります。
消防士の階級の解説
消防士の階級を一覧表にするとこのようになります。
階級 | 年齢 | 役割 | 役職 |
消防士 | 20代〜30代 | 隊員、機関員 | 係員、主任 |
消防副士長 | 20代〜50代 | 隊員、機関員 | 主任、主査、副主幹 |
消防士長 | 20代〜50代 | 隊長、機関員、隊員 | 主任、主査、副主幹 |
消防司令補 | 30代〜50代 | 隊長、機関員 | 主任、主査、副主幹、係長 |
消防司令 | 40代〜50代 | 中隊長、大隊長 | 係長、主幹、課長補佐 |
消防司令長 | 50代 | 消防長、消防署長、所長 | 課長、次長、部長 |
消防監 | 50代 | 消防長、消防署長、所長 | 課長、次長、部長 |
消防正監 | 50代 | 消防長、消防署長、所長 | 次長、部長 |
消防司監 | 50代 | 政令指定都市消防長 | |
消防総監 | 50代 | 東京消防庁消防長 |
それぞれ、深堀りしていきますね。
消防士

消防士として合格し採用されると、全員がこの階級からスタートです。
年齢は10代〜30代の職員が多く、役職名でいうと係員や主任にあたります。
災害活動時には消防隊、救急隊、救助隊などで「隊員や機関員」に任命されています。
一般的に「消防士」を消防全体の人として総称されていますが、「消防士」は一つの階級であり、全体を指す場合は「消防吏員、消防職員」といいます。
消防副士長

消防副士長の方の年齢は20代〜50代まで幅が広く、就いている役職は副主幹、主査、主任が多いです。
「消防副士長」になるためには、消防士として数年勤務すること、もしくは昇任試験に合格して任命される必要があります。
災害活動時の役割としては、消防士と同様「隊員、機関員」に任命されます。
消防士より階級は高いですが「隊長」として任命されることはありません。
消防士長

消防士長の方の年齢は20代〜50代まで幅が広く、就いている役職は副主幹、主査、主任が多いです。
「消防士長」になるためには、消防士もしくは消防副士長として数年勤務すること、昇任試験に合格して任命される必要があります。
この階級になると「隊員、機関員」はもちろんですが、ようやく災害現場で「隊長」として任命されるようになります。
消防司令補

消防司令補の方の年齢は30代〜50代まで幅が広く、就いている役職は係長、副主幹、主査、主任が多いです。
「消防司令補」になるためには、消防士長として数年勤務すること、昇任試験に合格し任命される必要があります。
消防司令補になると、災害現場では基本的に消防隊、救急隊、救助隊の「隊長」に任命されることが多くなります。
消防司令

消防司令の方の年齢は40代から50代の方が多く、就いている役職は消防副署長、所長、課長補佐、主幹、係長など様々です。
消防司令になるには消防司令補として勤務しているだけでなく、人事評価や周囲からの信頼など総合的に評価されれば「消防司令」として任命されます。
この災害現場では、消防隊、救急隊、救助隊を指揮する「大隊長、中隊長」としての活動がメインとなります。
消防司令長

消防司令長の方の年齢は50代の方が多く、就いている役職は消防長、消防署長、所長、課長などです。
この階級になると、災害現場への出動がほとんどなくなります。
消防司令長になるには消防司令として勤務しているだけでなく、人事評価や周囲からの信頼など総合的に評価されれば「消防司令長」として任命されます。
各地方自治体によっては、本庁から出向してきた部長級の職員が消防長となることが多いです。
また、小さな消防本部ではこの階級が最も高い階級となっています。
消防監

この階級を導入している消防本部は消防職員の人数が100人以上もしくは人口10万人以上の市町村です。
消防司令長の方の年齢は50代の方が多く、就いている役職は消防長、消防署長、次長、参事、課長などです。
この階級になると、災害現場への出動はありません。
消防監になるには消防司令長として勤務しているだけでなく、人事評価や周囲からの信頼など総合的に評価されれば「消防監」として任命されます。
各地方自治体によっては、本庁から出向してきた部長級の職員が消防長となることが多いです。
消防正監

この階級を導入している消防本部は消防職員の人数が200人以上もしくは人口30万人以上の市町村です。
消防正監の方の年齢は50代の方が多く、就いている役職は消防長、消防署長、次長などです。
この階級では、災害現場への出動はありません。
本部の全体指揮をとります。
消防正監になるには消防司令長として勤務しているだけでなく、人事評価や周囲からの信頼など総合的に評価されれば「消防正監」として任命されます。
各地方自治体によっては、本庁から出向してきた部長級の職員が消防長となることが多いです。
消防司監

この階級を導入している消防本部は政令指定都市(人口50万人)もしくは人口70万人以上の市町村です。
消防司監の方の年齢は50代の方が多く、就いている役職は消防長です。
この階級でも、災害現場への出動はありません。
本部で全体指揮をとります。
政令指定都市によっては、本庁から出向してきた職員が消防長となることが多いです。
消防総監

この階級を導入している消防本部は東京消防庁のみです。
日本で最も大きい消防本部の東京消防庁の消防長です。
日本で唯一人しかいません。
消防士の階級を上げるには?
消防士 〜 消防司令補

ここまで階級制度について解説してきましたが、実際に階級を上げていくためには昇任試験を受験し合格して任命されなければ階級は上がりません。
昇任試験には主に
- 学科試験
- 実技試験
- 面接試験
があります。
また、この昇任試験を受験できる条件として
- 年齢
- 学歴
- 消防歴
などを定めている地域もあります。
各消防本部によっては、昇任試験制度を設けず年功序列で昇任するところもあるようです。
各都道府県、各消防本部で昇任できる条件がそれぞれ違うんだね。
また、全体の職員数に応じて階級の比率を定めている本部もあるため昇任試験に合格していても退職者など欠員が出ない限り昇任することができない本部もあります。
消防司令補 〜 消防司令長以上

消防司令補から上の階級(消防司令、消防司令長、消防監、消防正監、消防司監、消防総監)は管理職と呼ばれます。
これらの階級を目指すには、昇任試験において「消防司令補」の階級に任命されておくことが必要です。
また、さまざまな場面で優秀な成績を残すことも重要です。
例えば消防学校での初任科教育、救急課程など、そして消防救助技術大会などがあげられます。
特に学科の分野においてはトップの成績を取っておいておくことが望ましいです。
これから消防学校に入校される予定の方で、将来消防長を目指したい方はしっかりと勉強をして優秀な成績を残すようにしましょう。
無事に「消防司令補」まで昇任試験に合格し任命されると、消防司令補としての期間は長い傾向です。
特に近年では団塊世代の大量退職が終わり、消防職員の採用が少なかった時代の職員が50代を迎え、その世代が管理職の大半を占めています。
50代前半から管理職に勤めているのでその方たちが定年退職するまで、しばらくはその管理職の席が空きにくいことが要因です。
これからはその傾向も強く出てくるので、昇任試験に合格していても昇任できないという方も出てくるでしょう。
そして役職もなかなか上がりにくい(特に係長以上)という時代がしばらく続きますし、同僚同期との出世争いも盛んになる可能性もあります。
出世したい人、生涯現場で活動したい人で分かれていくんだろうなぁ。
消防士の階級制度について まとめ

いかがだったでしょうか?
今回は消防士の階級制度について解説しました。
消防士の階級には
- 消防士
- 消防副士長
- 消防士長
- 消防司令補
- 消防司令
- 消防司令長
- 消防監
- 消防正監
- 消防司監
- 消防総監
があります。
消防士の世界での階級は絶対的なものです。
それは、きちんと指揮統制をしてすべての隊員を安全に活動させるためにあります。
災害現場では隊長から指示を受けますが、その時はきちんと指示に従って活動しましょう。
その指示に従わない場合には、自らを危険にさらすだけでなく仲間の命も危険にさらしてしまうことがあるからです。
みなさんが、現場活動の指示をする側に立ちたいと願うのであれば昇任し、隊長に任命されるように努力しましょう。
昇任することは、本人にとっても成長を感じられるとても良い機会なのでオススメしますよ。
昇任試験対策にはこちらの参考書で勉強するのが良いでしょう。
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