エクステリアラダーの解説(ラダーレスキューシステムズ)

救助

みなさん、こんにちは。

いつも読んでいただきありがとうございます。

今回は、ラダーレスキューシステムズより

エクステリアラダーの解説をいたします。

っと、その前に私の簡単なプロフィールです。
kouと申します。
10年以上消防士として勤務していました。
在職中のほとんどを救助隊として過ごし、隊長、機関員、隊員の経験もあります。
現在は退職して、消防士の後輩向けに情報発信をしています。
もうすこし気になる方はトップページより、プロフィールを御覧ください。

それでは、まいりましょう!

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前提として

ラダーレスキューシステムズは共通の設定要領があるため

他の手技の解説と似た内容が含まれます。

 

エクステリアラダーの概要

どういったものとして使える?

エクステリアラダーはどういったモノに置き換えられるかというと

  • 支持点
  • 下降器 
  • ハイポイントアンカー(高とり支点)
  • 高所へのアクセス(通常の梯子として)

以上、4点です。

パッと見た印象は応急梯子救出や梯子水平救出2法ですね。

 

何ができる?

エクステリアラダーでは、

  • 降下
  • 降ろし

が可能です。

引き上げには適しておりません。

 

必要資機材

エクステリアラダーの必要資機材はシンプルで

  • 三連梯子
  • ロープ2本 (長さは進入や救出に要する適当なものを選択する)
  • カラビナ2枚

以上です。

とてもシンプルですよね。

ここに、滑車やテープスリングなど他の資機材を組み合わせていくことも可能ですが

今回は必要最低限の資機材とします。

このような資機材であれば、小さな出張所や分遣所などでも

事足りるものではないでしょうか?

これはラダーレスキューシステムズのメリットとも言えますね。

 

必要人数

要救助者を担架に収容したり、そこまでの搬送を考慮すると

最低でも4人は必要です。

これであれば消防隊と救急隊が現場にいれば可能な人数ですね。

誘導ロープの配置などを考慮すれば

その他にも人数が必要となります。

 

設定要領

エクステリアラダーは

インテリアラダーやキャンタリバーのように

最終的なバックアップを建物の躯体にすることができないので

ミラードシステム(ツーテンションレスキューシステム)となります。

 

最終的なバックアップを建物の躯体にすることができない理由として

インテリアラダーやキャンタリバーは屋内からシステムを構築するため

建物の床や窓枠を使用することができますが

エクステリアラダーにおいては、屋外でシステムを構築するために

建物の躯体をバックアップとして使用することができないためです。

 

ミラードシステムがわからない方向けに解説をすると

メインもビレイも同じシステムで設定する。

と、考えていただければ大丈夫です。

同じシステムのため、メインやビレイといった使い分けはしませんが

今回の解説では、わかりやすくするために

メイン、ビレイとします。

 

メインロープ(救出ロープ)白

最下の横さんから2本目を素通しして

梯子の最先端に巻き結びで結着して、

カラビナをかける。

 

ビレイロープ(確保ロープ)赤

最下の横さん1本目から素通しして

最上の横さんから3本目に巻き結びで結着して、カラビナをかける。

 

梯子の設定

進入口及び救出口に梯子をかけるのではなく

それより上部に架梯する。

三連梯子の場合、目安として2階が救出箇所であれば3階部分に梯子先端を架梯する。

梯子の設定角度の目安は

建物と梯子の間に担架や要救助者を救出できるスペース分あればOK!
(ただし、角度60度以上)

   

操作要領

※写真では、かぎ付き梯子となっていますが三連梯子として考えてください。

隊員の進入

通常通り、進入箇所に梯子を架梯して隊員を進入させます。

建物内に進入した隊員は、要救助者の状態を観察した後に

担架や救助用ハーネスに収容しておきます。

 

救出システムの作成

地上の隊員は救出システムの作成に取り掛かります。

まず、梯子の架梯位置の変更を行います。

救出箇所よりも1階上の床面あたりに架梯します。

目安としては、2階が救出箇所であれば3階に架梯します。

 

架梯した後に、救出ロープの設定をします。

ロープの設定を行ったら、救出口付近にカラビナが垂れるような状態にして

進入隊員が取りやすい位置に準備しておきましょう。

もしくは、進入隊員に救出ロープを手渡しておきましょう。

救出開始

要救助者の収容と救出システムの準備が完了したら救出開始です。 

キャンタリバーやインテリアラダーでは梯子の摩擦抵抗を利用して制動を効かせていましたが

エクステリアラダーでは、同じようにしてしまうと摩擦抵抗が効きすぎてしまうため

ボディビレイ(身体確保、肩確保)で行います。

通常の応急梯子救出や水平梯子救出2法で行う方法と同じですね。

要救助者が屋内にいる状態でロープにテンションを預け

救出システムの制動確認を行います。

  • メインロープのみテンションをかける  「メインロープ制動よし!」
  • ビレイロープのみテンションをかける  「ビレイロープ制動よし!」

制動の確認を終えたら、必要な高さまで要救助者を上げてロープを地上の隊員に確保させます。

ロープ確保により安定した担架を屋外へ移行させます。

 

移行完了後、応急梯子救出や水平梯子救出2法であれば三連梯子を押し出す必要がありますが

このエクステリアラダーでは、その必要がありません。

すでに救出に必要な空間は取られているためですね。

壁面の障害物を避けるときには、進入隊員がロープを操作するとよいですね。

地上まで要救助者を降ろしたら救出完了。

進入隊員が地上に戻り、撤収し活動完了となります。

  

梯子の再架梯時のポイント

進入隊員が屋内へ移行した後に

地上の隊員が梯子を再架梯する必要がありますが少し工夫を加えると

梯子の移動が簡単になります。

 

持つ位置の変更

梯子を移動させるとき、どこを持つようにしていますか?

基本的には「取手」を持ちますよね。

その位置よりも上部を持つようにしてみてください。

移動させる隊員同士が同じ箇所を持ちつつ、なるべく高い箇所にします。

すると、いつもよりも梯子の移動がスムーズになるはずです。

これは「てこの原理」が働いていることで起こる現象です。

梯子の先端が「作用点」とするならば

「基底部は力点」、持つ位置が「支点」となります。

この「支点」の位置を変えるだけで、余計な力を使う必要が減るのです。

持つ位置を変更するだけで体力の消耗が減らすのであれば

やらない理由はありませんよね。

 

地上の隊員が3人いる場合

上記の方法に加えて

地上隊員が3人いる場合は、もっと安定的に梯子を移動させることができます。

3人目が梯子の裏側にまわり、持ち上げる時に「裏主管」を支えてあげるだけです。

カンタンですよね。

簡単なのですが、効果は抜群です。

  

上記の2つの方法は、エクステリアラダーのみならず

通常の梯子を使用するときにも大いに有効ですので

梯子取扱訓練時に試しておき、自分の技術として落とし込んでおけば

災害現場でも訓練時でもスムーズに梯子の移動ができますね。

 

原理

梯子が安定しているのは

要救助者が空間に出ることで梯子に対して「曲げ荷重」が加わり

梯子の先端、石づき部分もあわせて建物に対して

押さえつけられるような力が加わっているためです。

 

応用

エクステリアラダーの救出用ロープを進入隊員の確保ロープとして使用して

要救助者発見後に、確保ロープを救出ロープに切り替えることも可能ですね。

その際は、進入隊員が救出ロープの設定後に

地上隊員が梯子の再設定を行うと流れはスムーズですね。

  

注意点

エクステリアラダーでは、身体確保(ボディビレイ)を行いますが

その際にフルボディハーネスを着用している場合に

ハーネスとロープが接触しないように注意してください。

ハーネスの破損を防ぐためです!

フルボディハーネスの着脱は手間がかかりますので

チェストハーネス(胸の部分)のみベルトを緩めて外しておけば

接触を防ぐことができますよ。

  

まとめ

いかがだったでしょうか?

エクステリアラダーは、簡単、シンプル、スピーディーな救助技術です。

梯子、カラビナ、ロープも割とたやすく調達できる資機材です。

資機材がないから、救助することができない

こういったことが起きてしまうと

一生後悔することになってしまいます。

 

制限された状態から生まれるものは、とても貴重です。

無いものから、何を生み出すか

物が多すぎて、逆に遅くなることもいけないことですので

そこのバランスが上手くとれた活動を心がけていきたいですね。

 

実際の講習では、編みロープをメインに用いて 

梯子への結着は1ラウンドエイトノットとなっており

若干違いますが、どの所属であっても実践できるように

今回は紹介しました。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

記事の内容でわかりにくい点などございましたら

遠慮なくコメント欄にどうぞ。

 

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