緊急消防援助隊について

消防

今回は、緊急消防援助隊について説明と解説をしてまいります。

大きな災害が起きたとき、隣の県や少し遠いところからやってくる救いのヒーロー、緊急消防援助隊。

今回は、ここにスポット当てていきたいと思います。

1つずつ解説していきます。

緊急消防援助隊発足のきっかけ

平成7年1月17日5時46分の早朝に大地震が発生しました。

そう、阪神淡路大震災です。死者約6400名、重軽傷者44000名。

この時、まだ消防組織を応援部隊として派遣する法的な体制が整っていませんでした。

結果として、出動、到着の遅れやそれに伴い救助、支援ができずに救うことのできなかった命も多くありました。

そのため、大規模災害時に消防の応援体制や受け入れ側の体制をきちんと定め、明確化することで消防力の増強と迅速化を図るために創設されました。

似たようなものとして、消防組織法の消防の相互応援協定があります。

(市町村の消防の相互の応援)
第三十九条 市町村は、必要に応じ、消防に関し相互に応援するように努めなければならない。
2 市町村長は、消防の相互の応援に関して協定することができる。

 これは、大規模災害というよりも隣の消防本部が困っている時、例えば「消防車が故障しているからその間何かあったら応援要請させてね。」「出動経路上が土砂で埋没されてしまったよ。そちらからの方が到着が早いから、応援お願いします。」的な捉え方で良いです。

 主に市町村間でのやりとりとなります。

緊急消防援助隊の出動はどういった基準なの?

 では、どういった基準で出動となるのか。

 条文を抜粋すると、以下のようになります。

①消防庁長官に災害のあった市町村の属する都道府県知事から要請かつ必要があるとき。
②消防庁長官が要請を待ついとまがないと認めるとき。
③消防庁長官から特に緊急を要する時、直接市町村長に要請することができる

 基本的には、消防庁長官から都道府県知事に要請、都道府県知事から市町村長へ要請、市町村長から消防長へ要請の流れとなっております。

 しかし、近年ではある基準を満たせば、要請を待たずとも出動することとなっています。

 これを迅速出動といいます。

迅速出動の適用条件)
  迅速出動の対象となる災害は地震とし、最大地震6弱(政令市は5強)以上の地震が発生した場合に適用するものとする。

 直近の災害でいうと、熊本地震等が当てはまります。

 緊急消防援助隊は何回出動しているの? どんな災害に出動しているの?

 緊急消防援助隊が設立され、出動しなかった年はありません。

これまでの出動実績は、39回!※令和元年台風19号の発生時まで

最初の出動は、平成8年の蒲原沢土石流災害でした。(出動は東京都、愛知県)

やはり東京消防庁は出動しておりますね。

そして、最大にして最長の活動であった平成23年3月11日。

東日本大震災

この大震災では、全国44都道府県知事の消防が出動し、約3ヶ月間という長期間にわたり活動が行われました。

 私は消防士になったばかり、1年目で非番の日でした。

 テレビから流れる映像をただただ眺めているだけ、何もできない自分に歯がゆく思っておりました。

 この時、被害があまりにも大きく地震が多発し、常備消防の許容をはるかに超えていたため沖縄県まで出動する事態にまでなっていました。

 特に東京電力福島原子力発電所での東京消防庁ハイパーレスキュー隊の活動は記憶に新しいかと思います。

緊急消防援助隊には、どんな部隊があるの?

 緊急消防援助隊とひとくくりにしておりますが、活動にはさまざまな資機材も必要ですし、消火、救助、救急等それぞれ必要な場面がでてきます。

 では、登録されている部隊にはいったいどういった部隊があるのかでしょうか?

 まず、登録部隊数は約6600隊です。

 指揮支援部隊

被災場所の指揮統制の支援(主に政令市が担当)

 

 統合機動部隊

大規模災害発生後、被災地に緊急・先遣的に出動し、特に緊急度の高い消火・救助・救急活動を展開するとともに、後続部隊の活動に資する情報収集・提供を行うことを任務としている。

 

エネルギー・産業基盤災害即応部隊(ドラゴンハイパー・コマンドユニット)

石油コンビナート・化学プラント等のエネルギー・産業基盤の被災に備え、緊急消防援助隊に新たに特殊災害への対応。大型放水砲車、大容量送水ポンプ車が配備されている。

 

NBC災害即応部隊

核、生物、化学剤等のテロ、災害に対応

 

土砂・風水害機動支援部隊

豪雨などで発生する風水害や津波などに対応する。

 

航空部隊

消防ヘリコプターや防災ヘリコプター

 

 都道府県大隊

都道府県大隊として、以下の部隊の中から編成し出動します。

 指揮隊:都道府県大隊の指揮統制。受援県との活動調整。全体でおおよそ1隊。

 消火隊:火災対応や警戒配備など。タンク車がメイン。

 救助隊:活動の中心になるレスキュー隊。特別高度救助隊、高度救助隊、特別救助隊など。

 救急隊:救急車、被災者の搬送や受援側の搬送補助。

 後方支援隊:活動隊員のサポート。食事の準備や寝床の設営、撤収など。この後方支援がかなり大事です。

 通信支援隊:大型のアンテナを積載した車両を運用し、電波の届かない場所での無線中継などを行う。

 水上隊:水上での活動。消防艇や救命ボートなど。

 特殊災害隊:NBCを代表として、毒劇物等対応、大規模危険物火災等対応、密閉空間火災等対応

写真は、陽圧、耐放射線に対応した車両。

 特殊装備隊:遠距離大量放水(ドラゴンハイパーコマンドユニット)、消防活動二輪(赤バイク)、震災対応特殊車両、水難救助

 写真は、全地形対応車両(レッドサラマンダー)

いかがだったでしょうか?少しでも緊急消防援助隊のことを理解していただけたら幸いです。

不明な点、わかりにくい点がございましたら、コメント欄にお願いいたします。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

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