緊急消防援助隊(出動から活動、撤収までの動き編)

消防

みなさん、こんにちは。

前回は緊急消防援助隊の基本的なことを説明させていただきました。

今回は、その出動から活動、そして撤収までを解説してまいります。

この記事の狙いは、緊急消防援助隊の具体的な動きを知りたいという方向けに執筆しております。まだ、緊急消防援助隊として活動したことがない方や消防が好きな方に少しでも理解が得られたら嬉しいです。

・発災から出動要請まで

・出動準備、出動まで

・到着後の各隊の動き

・現場での活動

・災害現場活動外での動き

・撤収から帰署まで

・発災から出動要請まで

熊本地震で被害を受けた家屋

 熊本地震での消防の動きを説明していきます。

 ※参考文献は消防庁が発報している緊急消防援助隊日誌です。

 平成28年4月14日午後9時26分、最大震度7の大地震が熊本市を震源とし発生しました。

 まず、震度7の地震が発生したということで、この時点で迅速出動の要件を満たしたため、隣県の自治体等は緊急消防援助隊の出動準備を行わなければなりません。

 前回の記事で説明した総務省消防庁長官から都道府県知事への出動要請は後ほどされることとなります。

・出動準備、出動まで

 ここから、出動編成を組みます。ある程度、緊急消防援助隊の隊員を当番として割り当てている本部もありますが、ちいさな消防本部ですとその際に編成しなければなりません。

 出動の編成車両は、事前に各消防本部ごとに決められております。

 県庁所在地の消防本部を代表消防本部として県指揮隊、救助隊、消火隊、救急隊、後方支援隊、燃料補給隊などが挙げられます。県全体での車両は30〜50台に及ぶこともあります。

 なおかつ迅速出動となるとかなりバタバタ忙しい動きです。

 おおむね2時間以内に出動とされているので、それまでに隊員の招集、資機材の準備、車両の準備や給油、活動時に必要な食料買出しと積み込みなどなど。

 正直なところ、第一陣は災害の状況に応じて、ざっくりこれだけあれば1週間ぐらいは活動できるだろうという準備ぐらいしかできません。

 足りない資機材などは第2陣などにお願いする、もしくは現地調達となることがほとんどでしょう。

 そして、準備が整い次第、各消防本部で集結し市長や消防長に出動報告。

 各県で出動場所に適した集結場所に県大隊として集結し、災害地へと向かいます。

 迅速出動となると、ここまでノンストップで動いていきます。

 出動する隊員は、当務の隊員も含まれるため勤務中の疲労が溜まっている状態で数日間の活動をすることになります。

 もちろん、被災地まで消防車両を運転していかなければなりません。

 残された各消防本部も残された車両や資機材を運用して管轄地域をカバーしていかなければならないため、被災地へ出動するための準備が終わり、見送った後はその準備に取り掛かります。

 人員も減っているので、休みの署員を招集することもありますし、場合によっては非番員を招集することもあります。

 災害時はどうしようもありませんが、休めるときにはきちんと休んでおかないと被災地できちんと活動できないですよね。

 なので、仮眠時間や休憩時間はきちんと休みましょうね。

・到着後の各隊の動き

 被災地に到着し、受援体制が整っていれば活動がすぐに開始されます。

 ⚫︎⚫︎町の被災家屋に要救助者あり。⚪︎⚪︎県はそこで活動せよ。といった具合に活動場所を割り当てられます。

 活動拠点が決められていれば、後方支援隊がテントの設営や食事の準備などを行います。消防学校や最寄りの消防署などが拠点となる場合が多いです。

 決まっていない場合は車中泊やサービスエリアの一部を貸していただき、寝かせてもらうことも。

現場での活動

 被災地では救助活動がメインとなり、救助隊が中心となって活動を行います。

 割り当てられる場所によっては1つの県隊で活動しますが、他の県隊と合同、もしくは警察、自衛隊との合同活動もあります。

 ここで思うのは、やはり消防が先陣をきっていましたね。

 災害現場での救助活動経験は消防の方が豊富ですし、救助に関する知識もあります。いわゆるUSAR(都市型捜索救助)の資機材や技術も持ち合わせていて、倒壊家屋などでの活動を得意としているからです。

 すこし、支障があったと感じたところは、県全体として活動を行うにあたり連携がうまく取れていなかったところですかね。

 それぞれ手法が違っていたりしますし、知らない隊員同士ですと伝えたいことも伝わらなかったりと思い違いが発生しやすいところですね。

 ここを改善するには日頃から連携を図る訓練や顔の見える人間関係の構築、コミュニケーション能力が必須です。

 また、どうしても長丁場の活動となりますので、警察自衛隊の力ももちろん必要です。自衛隊の重機は本当に重宝していましたね。

 要救助者の遺品らしきものがあれば手掘りなど人力になるのですが、そこに至るまでの大きな岩や土砂は重機でやってもらえると大幅に作業の進みが違います。

 

・災害現場外での活動の動き

 被災地での食事は、主にインスタント食品です。カロリーメイトなどの軽食もありますが、その場で調理した食事というのはありません。

 被災地の人の食事もままならないのに活動で踏ん張りのきく精力のつくような食事はもちろん準備されません。

 わたしも1週間ほど派遣されましたが、インスタント食品ばかりというのは本当に体によくないなと身をもって感じました。どうもカラダの調子が良くなかったです。

 個人で何か準備できるとすれば、ビタミン剤やタブレット乳酸菌などサプリメントを持って行っておくと良いのかなと。

 あくまで組織が用意してるものは最低限の食事程度です。それでも、十分かと思いますが被災地で体調を崩しては良い救助活動というのはできませんので、考えておく必要があります。

 就寝については、エアーテントに簡易ベッド、寝袋で約10人程度で仮眠をとります。

 エアーテントは湿気がこもりやすく、人の呼吸からでる水蒸気が天井にあがり、水滴となって落ちてきますw

 これが、ちょうど顔に当たると寝ていられませんので、マスクやタオルを顔においておくと良いかもしれません。

 それから活動拠点が変更となった場合、全員で準備に取り掛かりますが手際よくやらないといつまでも移動できません。

 そのため、撤収要領はあらかじめ確認しておく必要があります。

 できれば、後方支援隊の隊員が熟知しておき、取り仕切るかたちをとる方が無難かもしれません。

・撤収から帰署まで

 活動もひと段落し、要救助者も減り、災害の発生も比較的落ち着いたところで消防庁や調整本部の撤収指示を受け、撤収がはじまります。

 ほっとするタイミングですね。

 基本的には活動拠点の移動と同様ですが、被災地に支援物資として食料や飲料水、非常用毛布の寄付をすることもあります。

 疲労も蓄積している中ですが、一踏ん張りして帰署まで気を抜かないようにすることが大切です。

 被災地からの車両運転は道路も歪んでいたり、補修がされていないところも多数残っているからです。

 そしてようやく地元消防本部につき、解散式を終えて活動終了となります。

 資機材撤収や手入れ等は勤務員で行うので、派遣されていた隊員は自分の資機材を撤収し、自宅に戻ることになります。

 

 いかがだったでしょうか?すこしでも緊急消防援助隊の活動のことを知っていただけたらうれしいです。

 不明な点等ございましたら、遠慮なくコメント欄に投稿してください。

 最後まで読んでいただきありがとうございました。

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