はじまる、救助技術指導会

救助

みなさん、こんにちは。いつも読んでいただきましてありがとうございます。

そろそろこの季節になってきましたね。救助技術指導会の季節です。

初めて救助隊になった方、初任科卒業してさっそく出場する予定の方、もしかしたら4月に救助隊異動で出場するかもしれない方向けの記事となります。

本日は、救助技術指導会について以下のことをポイントとしまして、すこし語りたいなと思います。

・救助技術指導会とは?種目は何があるの?
・救助技術指導会の市民のイメージ、メディアでの取り上げられ方
・筆者の経験、実績について
・救助技術指導会について消防士達が感じていること。
・令和における救助技術指導会の内容

今年は、オリンピックが要因で例年であれば8月ごろに全国消防救助大会が開催されるのですが10月に開催されるようです。

開催場所は福岡県北九州市です。さっそく取り組んでいる消防本部もあるようですね。やる以上はしっかりやりましょう!

第48回全国消防救助技術大会ホームページ

では、さっそく解説にはいります。

・救助技術指導会とは?種目は何があるの?

その前におさらいとして、救助技術指導会とはなんぞや?ということで解説いたします。

主催しているのは消防長会で、昭和47年より続いている歴史のある大会となっております。

全国消防長会では「消防救助技術大会」、各都道府県消防長会では「救助技術指導会」と呼ばれており、「レスキューの甲子園」ともいわれています。

これを開催している目的は、以下のようになっています。

 この全国大会は、救助技術の高度化に必要な基本的要素を練磨することを通じて、消防救助活動に不可欠な体力、精神力、技術力を養うとともに、全国の消防救助隊員が一堂に会し、競い、学ぶことを通じて、他の模範となる消防救助隊員を育成し、全国市民の消防に寄せる期待に力強く応えることを目的としています。 

 また、全国大会を通じて広く全国の市民に、消防の技術の高さ、力強さ、優しさをアピールするとともに、常に市民の目線に立って大会内容を研究し、全国大会を未来志向の大会とすることを目標としています。

種目は、基本訓練の「はしご登はん」「ロープブリッジ渡過」。

連携訓練の「ロープ応用登はん」「ほふく救出」「ロープブリッジ救出」「引揚救助」「障害突破」となっています。

どのような競技なのかについては、以下の動画を参考にしてください

全国消防救助技術大会の様子

・救助技術指導会の市民のイメージ、メディアでの取り上げられ方

消防士といえば、火災を消火している様子や交通事故などで救助している状況をニュースなどで取り上げられていることが多くあります。

もう一つ取り上げられているものといえば、やはりこの「救助技術指導会」かなと。

はしごやロープを高速で登ったり、降りたり、渡ったり。

要救助者を高速で搬送したり、引き上げたりと。

一般の方でもわかりやすいですよね!
このわかりやすさから、友人などに「サーカスみたいなことができるんでしょ!?」なんて言われることもありました。

わかりやすい上に映像として映えますから、メディアも取り上げやすいので取り上げがちです。

救助技術指導会について取り上げられたニュース

こういった状況ですし、全国消防長会の主催であるため、消防本部側も「救助技術指導会」を広報の一つとして、業務として隊員に取り組ませている背景があります。

・筆者の経験、実績について

このことを語るにあたり、私自身の経験と実績を少しだけ話させてください。

私は、「ロープブリッジ渡過」「ロープブリッジ救出」「ほふく救出」「障害突破」「ロープ応用登はん」を経験しており

その中で、全国大会に2度、地区大会に1度出場しております。

証拠として写真を。

地区大会の賞状は、署に飾られているため手元にありませんでした。すみません。

私自身、救助隊に任命されその次の日から救助技術指導会の訓練に取り組むことになりました。

これは、自分の名を上げるチャンスだと思い、必死で取り組みました。

異動が決まるのが3月、大会は5月のおわりから6月ごろなので短期間で習得し極めていかなければならず、カラダを酷使するしかありませんでした。

朝から夕方まで。非番や週休日は研究と体力錬成と仕事もプライベートもすべてを賭けていました。

「やるからには勝ちたい!」「1位でなければ意味がない」

と、自分に言い聞かせて取り組んでいました。

ところが、あまりにハードなために怪我も負っていました。関節が痛み、筋肉疲労が限界を超えて高熱を出したりとキツイ時期もありました。

それでも休むとライバルに差をつけられてしまうので、多少無理をしてでも訓練。痛み止めを飲みながら訓練。訓練。訓練。訓練。

そんなハードな訓練を経て、大会当日は1発勝負。失敗したら終わりです。

家族や友人、お偉いさんなどの前で訓練をするわけですので緊張しないはずがありません。

失敗したり、緊張のあまり実力がでなかったりして予選を突破できないと非常に落ち込みましたし、辛かったです。

でも、うまく成功した時や実力以上のものがでて予選を突破できた時は本当に嬉しく、これまでの努力が報われたようでした。

全国大会や地区大会ではレベルの高い消防本部の訓練に圧倒され、その中でも結果を残せる人は本当に尊敬していました。

上には上がいるなと、そんな印象でした。

全国大会はお祭りですが、各地区大会はまだ予選に過ぎないのでピリピリしているムードが漂う感じです。

私自身、この経験ができたのは良かったと思っていたのですが、、、。

・救助技術指導会について消防士達が感じていること。

上記のような経験をしてきた私ですが、いま読んでくださっている方は何か気づきませんでしたか?

私も気付くのに月日がかかりましたが、

「目的は勝つことなの?」「この救助技術ははたして災害現場に活かせるの?」ということです。

国民の生命、身体、財産を守るべき消防士が「個人のキャリア」のために勤務、非番、週休の時間を使っているのです。

目的が違いますよね。国民を守るためことが第一です。

技術はともかく、目的が違うことはいけません。

こういった同じ意見を持つ消防士たちは少なくありません。

とはいえ、救助技術指導会の「存在」を完全否定するという気持ちは私にはありません。

救助指導会のメリットももちろんあるからです。

「ロープなど資機材の取り扱いの熟練」「訓練に取り組む姿勢」「極度の緊張感を持てる環境」「体力錬成」「チームワーク」など救助技術指導会に取り組む中で身につけたり、得るものもあるのです。

ただ、現時点ではデメリットの方がメリットよりも上回っているというのは事実でもあります。

・予算の問題:資機材購入、人件費等
・法律の問題:労働安全衛生法の違反
・時間の問題:他業務の増加
・ヒトの問題:これに全力投球しがち
・最大の問題:災害が多発、複雑化

こういった問題を解決するには、「伝統文化」的な扱いにすることですかね。

出初式で披露される、はしごのり

一定の人数は現行の救助技術指導会の種目に対する愛着であったり、熱意等があると思います。

また、消防本部の上司も過去に経験し、実績をのこしてレジェンドとして語りつがれていることでしょうからすべてを取りやめることは時間がかかります。

ですから、伝統文化的扱いにすれば基本的に有志の職員で取り組めますし、業務に支障も出てこないはずです。

そして、業務外であるため上記に掲げた問題も解決します。

ここで伝えたいのは、
救助技術指導会に対する消防職員の考えは2極化しているということ。です。

現行どおりの救助技術指導会をやりたい派 と やりたくない派 です。

では、やりたくないというかた向けの解決法はどうしたらよいのでしょうか。

・未来にむけた救助技術指導会の内容

現行の救助技術指導会の種目の中で「技術訓練」という種目があります。

技術訓練の様子

この種目はある一定の条件下のもと、出場する消防本部がさまざまな災害状況、救助要領を考案して披露する訓練種目になっております。

新しい救助資機材や救助技術を披露する場であり、革新的な救助活動を披露する消防本部もあります。

こちらの種目に参加することももちろん可能ですから、基本訓練や連携訓練の種目をやめたいというかたにはおすすめいたします。

素晴らしい技術や装備を発明すれば表彰や商品化されることもありますよ!

いかがだったでしょうか?救助技術指導会について少しでも理解を深めていただけたら嬉しいです。

ご不明な点などありましたら、コメント欄に遠慮なくどうぞ。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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